【介護】職場の人間関係ストレスを改善する性格タイプ診断①

介護の現場、あるいは他の職場でも、一緒に働くスタッフにこんな風に思ったことはありませんか?

「この先輩、いつも上から目線でキツイこと言ってきて怖い…」
「そんな細かいことまで気にするなよ…」
「なんで言ったことやらないの?」
「なんかこの人とは合わないなぁ…」

ルリ
ルリ

めちゃくちゃある!

カイアル
カイアル

めちゃくちゃあるんだ…

誰かと協同で仕事をした人であれば、このような不満の気持ちを感じたことは少なからずあると思います。
介護職に関していえば、一般に他の業界と比べて多職種と関わることが多く、働く年齢層も幅広いので、人間関係で悩む人が多いと言われています。

人間ひとりひとり異なる価値観を持っているのは当然ですが、それが原因でトラブルは起こしたくないですよね。
褒めたつもりで伝えた言葉が相手にとっては不快に感じていたり、自分はそれほど重視していなかったことが相手にとっては大切だったりします。

今回は、他の人がどんな価値観、感じ方、行動原理を持っているのか皆さんに知っていただき、それを見極める方法をお伝えしていきます。
介護職に限らず、人と関わる仕事すべてに当てはまります。

相手が大切にしている価値観や行動原理が分かれば、それに合わせたコミュニケーションを行うことで、良好な人間関係を築いていくことができます。

1. 人間の性格は4つのタイプに分けられる

人間の性格を判断するのに「タイプ分け™」という考え方があります。

臨床心理学、組織行動学などをベースにつくられたコミュニケーションの分類方法で、人間の性格を大きく4つに分けます。

タイプによってそれぞれ特徴が異なり、望ましいコミュニケーションのとり方も変わってきます。

自分のタイプを知ることで、得手不得手がはっきり分かり、自己分析に繋がります。
職場での立ち回り方や、仕事でのパフォーマンスを高めるのに役立つでしょう。

相手のタイプを知ることで、今まで何となく不快に感じていた相手の考えや行動に、理解が示せるようになります。
どんな風に接すると信頼してもらえるのかも判断できるようになっていきます。

結果として、コミュニケーションがスムーズになり、人生が充実したものになっていくでしょう。

2. タイプの見分け方

以下の図を見てください。

4つのタイプはそれぞれ「コントローラー」「プロモーター」「サポーター」「アナライザー」に分けられます。


判断する方法は簡単で、感情表出」と「自己主張」という2つの軸を基にどのタイプかを考えます。

「感情表出」とは、ひとことで言えば ”感情的になりやすいかどうか” です。
日常生活のなかで感じる喜怒哀楽の感情が表に出やすいかどうかに着目します。
例えば、映画を観て感動し涙を流したり、嬉しいことがあったときに身振り手振りを交えつつ抑揚をつけて楽しそうに話したり、そういう人は「感情表出」が高いと言えます。

「自己主張」とは、ひとことで言えば ”よく喋るかどうか” です。
日常生活のなかでその人の主張や意見が表に出やすいかどうかに着目します。
例えば、会議の場での発言や意見が多かったり、普段から積極的に自分の話をしてきたり、そういう人は「自己主張」が強いと言えます。

これらの指標を基に、自分や周りの人のタイプ診断をしてみましょう。
何となくで構いません。
初対面や何度か顔を合わせただけの人であれば、判断が難しいかもしれませんが、同じ職場で働く仲間であれば、見立てを大きく間違えることはないです。
「あの人はよく自分のこと話してくるし顔に出やすいタイプだからプロモーターかな」みたいな感じで大丈夫です。
悩むようなら、他の人に聞いてみるのもいいです。

※より精度の高い判定をしたいなら、以下のサイトから診断を受けられますが、有料となっており会員登録も必要です。よほど詳しく知りたい場合は別ですが、基本は自己診断で問題ないです。
自身のタイプ診断
周囲の人のタイプ診断

3. それぞれのタイプの特徴

3-1. コントローラー

「コントローラー」タイプの人は イメージ的には ”皆の先頭に立つリーダー” という感じです。
見た目や雰囲気としては、キリッとした表情で、立ち振る舞いもテキパキしている傾向にあります。人によっては少し怖い印象を抱くこともあるかもしれません。

決断力が早く、自分の意見をはっきり主張できます。自分の思った通りに物事を進める(コントロールする)ことを好み、仕事においては「効率」と「結果」を重視する傾向にあります。

自分の意見がしっかりある分、他人からの納得できない指示・命令に対して反発する可能性が高いです。

・判断が早く、決断力がある。
・テキパキと話や物事を進めたい。
・話す速度が速く、結論から入り要点を淡々と話す。
・教えるのが好き。
・回りくどい言い方を嫌う。
・他人の話に関心が少なく、指示されるのを嫌う。
・他人に寄り添ったり、話を聞くのが苦手。

カイアル
カイアル

例えるなら進撃の巨人のエルヴィン団長みたいな人だね。

ルリ
ルリ

なんで急にアニメのキャラになるんですか…

介護の現場にいてくれると、効率良く動いてくれて業務がより円滑に回りやすくなります。

優先順位がコロコロと変わり、素早く適切な判断が求められる現場では、「コントローラー」は力を発揮しやすいでしょう。

このタイプは人に物事を教えるのが好きな場合も多いので、指導役を任せるのもよいかもしれません。ただあまりに「コントローラー」の特色が強いと、人の話を聞いてくれない近寄りがたい人になってしまいます。

接し方としては、会話の際に、要点を簡潔に伝えることを意識するのが大切です。
まどろっこしく遠回しな伝え方では、相手をイライラさせてしまいます。
この考え方は、会議や申し送りなど時間の限られた場でも重要です。

指示される(コントロールされる)ことを嫌うので、

「今~してるから、申し訳ないけどあの人の介助をお願いできる?」
「新人の○○君、オムツ交換苦手らしいんだけど、あなたからも教えてあげてくれない?」
などお願いするかたちや、

「利用者の○○さんの対応で悩んでるんだけど、どう思う?」
と相談するかたちをとったりすると、上手く関係を築きやすいです。

このタイプの人は、頼られることで好感を持ってくれやすいです。

上から目線で指示、命令のような伝え方をするのは絶対避けましょう。
支配やコントロールされることを最も嫌います。

3-2. プロモーター

「プロモーター」タイプの人は イメージ的には ”華のあるムードメーカー” という感じです。
見た目や雰囲気としては、表情豊かで明るくよく喋る、楽しい印象を与える人が多いです。

しかし場合によっては、少し軽薄でお調子者にみえてしまうこともあります。

・明るくコミュニケーション能力が高い。
・楽しいことが好きで、周りから注目を集めたい。
・褒められると喜びを感じる。
・想像力豊かで、アイディアを出すのが得意。
・自分が話すのは好きだが、相手の話を聞くのは苦手。
・話が飛んでまとまりがない。
・飽きっぽい。
・細かいルールや作業を嫌う。
・計画を立てる、計画通りにやることが苦手。

ルリ
ルリ

私このタイプの傾向強いかな
当てはまるのも多いし!

カイアル
カイアル

「プロモーター」はコミュ力高くて、周りを巻き込む力が強いから
エネルギッシュな人が多いイメージだね。

介護の現場にいてくれると、レクリエーションの場面などで特に力を発揮してくれます。
注目されるのが好きなので、皆の前で体操のお手本をしてもらったりすると上手に盛り上げてくれます。

新しいことや楽しいことが好きなので、業務内容やイベントなどに関しての案をいろいろ出してくれたりします。
しかし細かく話を詰めたり、計画を立てるのは苦手なので、フォローが必要になってきます。

また飽きっぽくもあるので、最初はいろいろ取り組んでくれてスタートダッシュを切りますが、最後まで続かず完走できなくなってしまうことも少なくないです。

接し方としては、会話の際、相手を肯定してあげることを意識するのが大切です。

皆に注目を浴びて認めてもらっていることに喜びを感じるので、ポジティブなリアクションをとったり、褒めることは効果的です。
褒められると調子が上がり、さらに高いパフォーマンスを発揮してくれやすいです。「そのアイディアいいね!」「盛り上げるの上手いな!」など、簡単な言葉でいいので褒めてあげましょう。

細かいことや計画性のあることが苦手な傾向にあるので、業務における細かい部分を指摘しすぎないようにしたり、レクの企画などでは他のメンバーが計画を練りこんだりすると良いでしょう。

本人に改善を求める場合は、「その企画いいね!当日のスタッフの役割が分かるとさらに動きやすくなると思うよ」と言ったように、相手の意見を肯定しつつ改善を促すのが効果的です。
たとえ微妙な意見やアイディアだったとしても、一旦は受け入れる姿勢をとりましょう。

「プロモーター」は意見が受け入れられていると感じるとヤル気があがりやすいですが、否定されていると感じるとモチベーションが一気に下がってしまいます。

頭ごなしに提案を否定することは絶対やめましょう。

3-3. サポーター

「サポーター」タイプの人は イメージ的には ”聞き上手の良い人” という感じです。
見た目や雰囲気としては、穏やかで優しそうな印象を与え、周囲を和やかなムードにしてくれます。

相手を悪く言わないよう気遣いができますが、それ故に自身の意見をあまり主張しない傾向にあり、見方によっては八方美人にみえてしまうこともあります。

・協調性を大切にし、争いを好まない。
・気配りができ、聞き上手。
・期待に応えようとし、承認欲求が強い。
・頼まれると断りづらい。
・断れない故に、ひとりで抱え込んでしまう。
・先頭に立つのが苦手で、決断に時間がかかる。
・周囲に意見を合わせてしまい、本人の考えが分かりにくい。

協調性があって気遣いもできるタイプだから、一緒に働きやすいですね。

「サポーター」は日本人に最も多いタイプらしいよ。

介護の現場にいてくれると、周囲の気遣いをしながら進んでフォローをしてくれます。

何かを頼めば、拒否なく引き受けて手伝ってくれるでしょう。
一緒に働くスタッフはとても働きやすいと感じることが多いと思います。
話もよく聞いてくれて共感力が高いので、スタッフや利用者から好感を持たれやすいです。

ただ物事を決める際、皆の意見を聞いて決定しようとするので、緊急時対応などスピードが求められる場面では判断が遅れてしまう可能性はあります。

また、争いごとを嫌い空気を乱すのも嫌なので、注意や指摘をするのが苦手です。
その場の空気に流されてしまいがちです。

接し方としては、気疲れしていないか、常に気にかけてあげることを意識しましょう。

このタイプは、頼まれるとなかなか断れない性格であることが多いです。
快く引き受けてくれているようにみえて、実はひとりで抱え込んでしまっていることもあります。
「頑張ります」と言ってても、ある日突然「辞めます」と言い出すことなんかも。
声のトーンや表情から心情を察してあげるようにしていきましょう。
「なんか疲れてない?大丈夫?」など、こちらから声をかけてあげて、話を聞いたり業務を手伝ってあげたりしてあげてください。

また、人に貢献していることを認めてほしい欲求も強いので、些細なことでも感謝の気持ちを伝えることが大切です。
例えば、2人介助で移乗を行ったとき「おかげで助かった、ありがとう」というような、当たり前のことでも忘れず伝えてあげてください。
日常的に ”あなたがいて助かっています” という気持ちが伝わることで「サポーター」は大きく力を発揮できます。

絶対に任せきりで放置はしないように。
細かいケアが大切です。

3-4. アナライザー

「アナライザー」タイプの人は イメージ的には ”冷静で慎重な分析家” という感じです。
見た目や雰囲気としては、寡黙で物静か、真面目そうな印象を与えます。

規則やルールを大切にし、正しいかどうかで物事の是非を判断します。
データを重視し、物事を論理的に組み立て考えることが得意です。

感情豊かに話すわけではなく、時間をかけて考えて話すので、人によっては話しづらいと感じることもあります。

・データの整理や分析が得意。
・計画を立てるのが得意。
・粘り強く最後までやりきる。
・規則やルールを大切にする。
・細かいことまで気にする。
・変化や混乱に弱い。
・会話が苦手。
・決断に時間がかかる。

カイアル
カイアル

つまり陰キャ!僕のことですね!

ルリ
ルリ

なぜに得意げ??

介護の現場にいてくれると、マニュアルを大切にしてその通りに動いてくれます。
記録物などの漏れが少なく、決められたことはきっちり守ります。

細部までこだわるので、何かの表作成やシフト作りを頼めば、精度の高いものを作ってくれます。
計画を立てるのも得意なので、イベント企画やスタッフ育成などの計画を任せてみるのもありです。
リスクも含めていろいろ考えてくれるので、信頼性は高いです。

しかし、しっかりやろうと細部までこだわるあまり時間がかかり過ぎてしまうことがあります。

また、さまざまなことを想定して決断をするので、すぐに判断を下せないこともあります。
介護の現場では臨機応変な対応が求められるため、場合によっては、業務が滞ってしまうこともありえます。

会話が苦手な傾向にあることが多いので、利用者やスタッフと上手くコミュニケーションをとれないこともあります。

接し方としては、会話の際に、順序立ててロジカルに話すことを意識するのが大切です。

何かを提案したりするときは、なぜそれをするのか理由や根拠を示し、リスクヘッジまで含めて説明ができると納得してくれやすいです。
リスクヘッジとは、起こりうるトラブルを予想し事前に対策やフォローを用意しておくことです。

このタイプの人と話すときに、目的や根拠を明確にせず、ノリや勢いで話を進めることは絶対にやめましょう。

「アナライザー」の特色が強い人は、感情が表に出にくく、よく考えてから発言するので意見もなかなか出てこなかったりします。
会話している相手はイラ立ちを感じてしまうかもしれません。
考えがまとまれば話してくれるので、急かしたりすることは避けるようにしましょう。
クローズドクエッション(イエスかノーのように選択肢で答えられるような質問)も答えやすいので効果的です。

4. タイプ分けの注意点

4つのタイプの特徴は理解できてきたと思います。
タイプ分けの際の注意点をお伝えします。

斜めに位置するタイプ

上の図で見ると「コントローラー」と「サポーター」、「プロモーター」と「アナライザー」で、それぞれ斜めの位置関係にあります。

斜めの位置関係にあるタイプは価値観が真逆で、相性が悪いと言われています。

実際、自分のタイプの斜めに位置してるタイプの傾向をみて、苦手に感じてしまった人も多いと思います。

僕の場合はタイプが「アナライザー」ですので、「プロモーター」の人とは価値観が相違しやすいということになります。

しかし発想を逆転すれば、お互いに苦手な部分を補い合えるので、上手くやれば素晴らしい成果を出せます。

左右上下に位置するタイプ

上の図はさらに「コントローラー」に対して「プロモーター」「アナライザー」、「プロモーター」に対して「サポーター」「コントローラー」といった具合に、左右上下の位置関係のタイプがあります。

左右上下の位置関係にあるタイプは、その要素もある程度持っている場合が多いです。

僕の場合はタイプが「アナライザー」ですが、「コントローラー」「サポーター」の要素をある程度持っています。
また、人は誰でも4タイプの要素を持っているので、僕にも「プロモーター」の要素が少しですがあります。

人によって程度は違います。

あくまで指標の1つ

タイプ分けはあくまで傾向を探るために行うものです。

実は人間は誰でも4タイプの要素を持っています。

例えば、僕には「プロモーター」の友人がいます。
彼は細かいことを嫌う傾向にありますが、趣味で揃えたフィギュアの並べ方にはこだわりがあり、とても細かいです。

後天的に苦手なタイプの振る舞いを身につけた人もいます。

4タイプのどこの要素が強いかで判断しているものなので、このタイプだから…と安易な決めつけは避けましょう。

カイアル
カイアル

僕の場合は「アナライザー」に加えて、「コントローラー」「サポーター」の要素もある程度あります。
頑張れば「プロモーター」の要素を出せますが、ずっとはキツいですね。

また、どのタイプが優れているだとかの優劣はありません。
それぞれ長所短所があります。

タイプ分けは切り口として、その人の価値観や考えを理解していくよう努めることが大切です。

5. 実際にタイプ分けを活かしてみて

僕は「タイプ分け™」の考え方を知ってから、仕事で抱えるストレスがぐっと減りました。

それまでは「なんかこの人と考え合わないな…」「あの人は話がいつも長いな…」など、漠然とマイナスの感情を抱いていた人たちが、どんな価値観で動いているのか理解るようになってきました。

日常業務でのコミュニケーションの取り方、教育指導のやり方、誰にどんな仕事を振るか、明確な指標があるので判断にはそれほど困りません。

自分のタイプ、自分以外の周りの人のタイプを知るだけでも、心持ちが大きく変わると思います。
ぜひ今後の生活に取り入れてみて下さい。

次回は、4タイプ個別のさらに詳しい特徴や対応の仕方、介護現場でどう活かすかをお伝えしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント 参考にしたいので、皆さんの職場のことを教えていただけると幸いです

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